生命は細部に宿りたまう ―ミクロハビタットの小宇宙
2010年 10月 21日
南方熊楠賞選考委員をお務めいただいた加藤真先生(京都大学大学院教授)の本が刊行されました。
森の聖域の章で南方熊楠について触れられています。
著者からのメッセージ
生物多様性という言葉を聞く機会が増えました.しかし,生物多様性を実感できる機会は,あまりないのではないでしょうか.
奄美大島には,一つの海岸で1000種の貝殻が打ち上がる場所があります.それらの貝の大半は微小貝とよばれるもので,大きさが数ミリメートルしかありませんが,その造形の美しさと多様さにははっとさせられます.それぞれの貝の生活と生息場所(ミクロハビタット)が想像できれば,サンゴ礁生態系の生物多様性が実感できるでしょう.
本書では,入江の波打ち際や,波くだける礫浜,潮流がつくる砂堆,草原,平野の氾濫原,水田,深い森,岩清水が伝う湿崖,玉石の清流など,日本列島を特徴づける自然の本来の姿と,そこに息づく小さき生物たちの世界,そしてそのミクロハビタットの偉大なる集合としての生物多様性とそのかけがえのなさを紹介します.
詳細は岩波書店のホームページへ
南方熊楠賞というと「受賞者」ばかりが目立ちますが、実は授賞式には、選考委員の先生方も来られているんです。
もちろん授賞式後のパーティーにも出席されています。
このような先生方が一地方都市で一堂に会するのは、「南方熊楠」あってのことです。
【くまちゃん】
by kumagusu-m | 2010-10-21 14:44 | 書籍